展示の公開は終了しました
有明淑子と『女生徒』
上記のボタンより、聞き書き・おしゃべり鑑賞会・ワークショップの予約フォームへ移動できます。また、一部の催しを除き、全て無料となっております。
本展示は靴を脱いでご鑑賞いただきます。
土に触れたもの(杖や車いす、介助犬)やサポートが必要な方は、お手数ですがフォームからご予約のうえご来場ください。
展示について
私たちが、太宰治の著作である『女生徒』に出会ったのは2018夏。*
Doukyusei.の第一回公演を観た、🐕の「太宰治の『女生徒』をテーマにパフォーマンスを作らない?」という一言がきっかけとなりました。
その後、創作のためリサーチを進めていると『女生徒』は有明淑子という女性の日記を元に作られたこと、太宰治が創作したオリジナル部分は、最初の数行と最後の数行であることが分かりました。
Doukyusei.は「女性を中心に据える」という事を矜持にしています。
その私たちが、現代で再び、過去行われたように、文章を切り刻み、有明淑の日記や『女生徒』の文章を使用して、パフォーマンスを創作する必然性が何処にも見当たらないね。
という結論が出たため、創作をストップさせました。
時を経て2021年夏、私たちは改めて「女生徒」に向き合うことにしました。
なぜ日記は盗用されてしまったのか。私たちは何に怒りを感じたのか。
リサーチを通して全体像を明らかにし、そこからさらに対話を始めたいと考えています。
*配布しているチラシの種類によっては、「2019夏」と表記しておりますが、正しくは「2018夏」です。
「私はこう思うけど、あなたはどう思う?」
この言葉が、今回の催しで大切にしている言葉です。
この言葉がこの展示における「まんなか」です。
あの時、頭の中や共通の認識だけであったことを、目に見えて、触って、形にするところから、
私たちも含め、来てくださったみなさんと、忘れ去られようとしていた違和感を、形にしたいと考えています。
私たちが、生活や人生を、自分で納得して、思うままに、進んで行けますように。
有明淑子
1919年(大正8年)微生物学者 有明文吉の次女として東京で生まれる。
1938年、3ヶ月分の日記を書いたノートを太宰治の家へ郵送。
翌年その日記を再構成した作品『女生徒』が太宰の名で発表される。
その後軍医と結婚し2児をもうけるも、長男と夫とは死別。働きながら次男を育てる。
1981年に死去。
「有明淑」と「有明淑子」
多くの文献や、『資料集第一輯 有明淑の日記』(青森県近代文学館編, 2000)では、本名が有明淑、通称が有明淑子と記載されています。
ですが、Doukyusei. は今回、有明淑を「有明淑子」と呼ぶことにしました。それは、日記を送付した有明淑自身が、自らの名前を「淑子」と記していたからです。また、太宰治や、その配偶者である津島美知子も、淑子様、S子さん、と記しており、有明淑が自らを「淑子」と表していたことが伺えます。
会期
2022/4/30(土)~5/31(月)
展示公開:
14:00~19:30(定休:月金/水曜のみ予約制)
聞き書き:
毎週水曜日 14:00~19:30 (1枠1時間)
おしゃべり鑑賞会:予約可能度合い
5/8(日) 12:00~ ×
5/15(日) 12:00~ ×
5/22(日) 19:30~ ×
5/29(日) 12:00~ ×
ワークショップ:
5/7(土) 12:00~ ×
5/14(土) 12:00~ ×
5/21(土) 19:30~ ×
5/28(土) 12:00~ ×
会場
ハツネウィングA
〒231-0053
横浜市中区初音町1-21-18
京急線「日ノ出町」駅から、徒歩5分ほど。
ゆっくりと歩くと、10分~15分ほどです。
会場について
今回展示を行う会場は、かつて通称「ちょんの間」と呼ばれ、
売春宿が立ち並んでいた場所にある建物です。
ほんの数十年前には、この場所で、20分にも満たないような時間の中で、
数千円〜1万円ほどのお金と引き換えに性サービスが提供されていました。
そして、浄化されたこの場所の川向こうには、今も多くの性風俗店が立ち並んでいます。
私たちは、その頃の建物の構造を残したままの場所で、展示を行います。
その場所で、ご飯を食べて、寝て、シャワーを浴びて、髪を乾かして、「こんな感じ
で生活してたのかなあ。」なんておしゃべりをしながら、過去の気配を感じつつ、
ひとつひとつ完成させました。
会期中の催し
展示
有明淑子と彼女が記した日記に関する展示を行います。
Doukyusei.メンバーの手仕事が詰まった、リサーチを元にした展示に加え、
有明淑子が記した日記を読み解きながら創作した、ダンス映像の上映と、
その創作過程の展示も行われます。また、展示をご覧頂いたあと、
ゆっくりとお過ごし頂けるスペースもございます。
ダンス映像 予告編
聞き書き
展示を鑑賞された後に、思い浮かんだことや感じたことを
お話しして頂き、それを私たちが文字に書き起こす催しです。
お話の内容は、許可を頂ける範囲で、展示の中に潜り込ませます🐈
毎週水曜日 14:00~19:30(1枠1時間)
おしゃべり鑑賞会
対話を通して展示を鑑賞する会です。
展示を楽しむ際にサポートが必要な方や、おしゃべりしながら展示を鑑賞したい方が、
一緒に過ごせる場所を目指しています。
展示してある絵や立体物を触ったり、ほかの人にはどう見えるのかを聞いたり、
からだを使って展示を感じてもらいます。
※全年齢対象のワークショップです。
参加人数:各回3名
5/8(日) 12:00~
5/15(日) 12:00~
5/22(日) 19:30~
5/29(日) 12:00~
(各回1時間ほどを予定)
ワークショップ
「わたしの、ことばを、つくってみよう」
展示を見た後に、からだをゆっくり動かしたり、ちょっとした工作をしたりします。
また、お茶やお菓子を交えながら、みんなでおしゃべりもします。
ことばを見失ったり、発見したり、忙しない生活の中。
少し立ち止まって、『自分のことば』を形作ってみませんか?
料金:500円
参加人数:各回3~5人
持ち物:飲み物
※リラックス出来る服装でお越し下さい。
※高校生~大人向けのワークショップです。
(中学生以下の方もご興味あれば、ぜひお問い合わせ下さい。)
※展示内容をふまえて体験して頂きますので、
ワークショップ開始時間までに、展示をご鑑賞下さい。
(12時~の場合は、午前中に開場致します。)
5/7(土) 12:00~
5/14(土) 12:00~
5/21(土) 19:30~
5/28(土) 12:00~
(各回1時間半~2時間ほどを予定)