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   正しささんと美術さま

正しささんと、美術さま りりは学校にいってない。住所もおかねもない。ちなみに、仕事もしていない。 戸せきは多分どこかにある。ひょんなことからってよく言うけど、ほんとに ひょんなことから、りりは母国語以外を話せたり、文字がたくさん書けたり 読めたりする人と、割となかよくなって、一緒に?たまに?遊んだりする。

みんなでフルーチェをつくったり、チョコフォンデュをやる時は平等にたの しい。でも、みんながカタカナみたいな言葉を話しはじめると、りりはよく 分からなくなる。みんなはよく、カタカナをくしして、正しささんの話を する。何が間違っていて、間違っていないか。何が良くて、良くないか。 りりは黙っている。正直、りりはどちらでもいい。誰かが悲しいのと、お腹が すくのと、眠れないのと、病気になるのと、殺されたり殺したりが嫌だ。嫌な 気持ちになるのも、いやだ。りりには、それくらいのことしか、わからない。

みんなは正しさんのはなしをするとき、美術さまの話しをする。美術さまの はなしは、みんなの萌えポイントで、みんなたのしそう。文字の話もすきで、 りりはみんなが楽しそうだとたのしい。でも、何を話しているかは、一切、 んー、ほぼわかっていない。りりは正しさの話と、美術さまの話になると、 ぼうっとして、話したらみんなから怒られそうな話を思い出す。あと、 りりの萌えポイントの大きなトラックと、工事現場をおおう、半とうめいの あみあみ。をのうみそにうかべる。トラックのおじさんは、お菓子をたくさん くれるから好きだ。トラックは3 種類にぶんるいされている。って教えてくれ た、金髪の細いおねえさん、今もあそこにいるかな。 重いダンボールの仕分けはきらい。

 

 

そう、それで、しばらくするとお話はおわって、みんなホクホクした顔でかえ る。りりは何もよくわかっていないから、からだはあまり気持ち良くはない。 でも、なんか良いこと言ってんだなあ。と思って、電車にのる。

 

帰りの電車の小銭が足りなくて、りりは途中で電車を降りた。 ( この間駅でお金を借りたから、もうしたくなくて。ちなみにお金はちゃんと 返した!! ) それで、みんなのおしゃべりと萌えポイントになまえをつけた。 正しささんと美術さま。みんながすごく好きで、かんしんがある。やつ。

 

りりはどちらもかんしんがなくて、でも、おともだちがさべつされたり、 いやなことを言われるのはいやだ。だから、それがなくなるように、 折り紙を折ったり、歌をうたったりする。

 

正しささんがごりごりした大きいばしょにいくと、もっと大きな声で。とか、 おしごと。とか、えらくなる。おかねをたくさん。でがんばろう。みたいな ことをいうし、

 

正しささんがゆるゆるっぽいばしょも、べんきょうとか、 ちがうことばで、とか、つたわるように。

もっとしる。まなぶ、とかのはなしになる。

 

りりは折り紙を折ったり、カレーを作ったりすることぐらいしかできないから、 そっか~っとゆって、かえる。

 

りりは、折り紙を折ったり、カレーを作ることしかできなくても、なんか いいかんじなのになあっておもう。りりはりりののうみそでできること 100 をしてるのになあって。

 

 

でもそれは、おともだちにしか、いわない。

 

りりのおともだちは、りりをにんげんとしてみてくれる。

 

でも、りりの” ほんとう” を話すと、大体の人は、りりをにんげんとしてみない。

 

だから、りりは、ひみつをまもる。

 

りりはせかいの正しさにはきょうみがなくって、りりに話しかけてくれるひと の正しいと思ったことに「そうだね」と言うのがすき。( りりには、だいじ。 はあるけど、正しさがない) りりは、折り紙を折ったり、カレーを作りながら それをする。

 

あと、折り紙は美術さまの仲間だけど、りりやりりのおともだちが折り紙を 折る時、いちばんえらいのは美術さまじゃない。

 

いちばんえらいのは、今折り紙を折っているりりやおともだちの手とじかんと、 

おぼえていること。これを折ったよ。のきろく。

 

でも、そしたら、りりとりりのおともだちは、何さんがいちばんえらいのかなあ?って話すのだけど、やっぱりよくわからないから、きゅうけいして、 おいしいカレーをたべたとさ。

 

 

 

 

「これは、本当の話?」と誰かが問うた。

 

うっかり。

 

すると、

 

「そう、これは、" ほんとう" のはなし。」 とりりはわらった。

 

そして、 「でも、わたしは、あなたたちのものがたりにはならない。」といって、 するするとかけてった。みるみる身体は小さくなって、あっという間に、 りりは遠くへ消えてしまった。

 

それ以降、りりは、二度と、ここにはこなかった。

 

 

 

 

 

        

                                べあー

 

 

 

 

 

おんせい

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